Dreamforce '11に参加してきました

このエントリーをはてなブックマークに追加
こんにちは、堀です。

先日、サンフランシスコで開催されたDreamforce 2011に参加してきました。

Dreamforceの実際の模様はいろんな記事がありますので、そちらを参照していただくとしてここでは僕が現地で感じたことなどをざっくりレポートしようと思います。



基調講演:



ライティングがかっこいい会場


ソーシャルエンタープライズがテーマ


今回のDreamforceのイベントのテーマは「Social Enteprise」でしたが、基調講演では「顧客がソーシャルに」「社員がソーシャルに」「製品がソーシャルに」という形でソーシャルを軸に話がされました。

企業にとってのソーシャルは僕もまだビジョンがそこまで感じ取れているわけではないですが、話を聞きながら、ひょっとして欧米企業の価値観が昔の日本的になっているのかも...って感じました。

日本では昔から意識を「共有」することにあまり抵抗がなく、パーティションのないスペースで一緒に仕事したり、仕事の後に頻繁に飲みにいったり、井戸端会議でちょっとした情報を立ち話で共有したりと昔から「social」でしたが、アメリカのような国土の広い国では、仕事の後にちょっと食べたり飲んだりとかそういうゆるい感じのつながりというのは地理的成約もあって比較的少なかったのではないかと思っています。

それがFacebookやChatter、Twitterなどでオンラインで実現手段ができてきて、欧米にも広まってきたのが今であり、日本にも価値観として逆輸入されてきている気がします。

また、講演の中でWinter12ではチームでのフォーキャスト(売上予測)が機能実装される予定とあり、これはまさに個人業績主義ではなく、日本型のチーム営業(集団で意思決定&ミッション遂行する)のエッセンスが入ってくる予兆なのではないかと思っています。

マーク・ベニオフがなぜこんなにChatterへ注力しているのかを考えてみたのですが、まったく個人的な予測ですが以下の二つがあると思っています。

1. 社員にとってのFacebook型業務アプリ?
個人的にFacebookとTwitterをいろいろ使っていて思うのですが、Facebookの大きな違いは人と人の関係性の重みを軸に、タイムラインに出すデータを自動的に最適化してくれるということです。

つまり「何も考えなくても」リロードするだけで、仲の良い人の写真や、コメントなどが現れるようになっています。Twitterはタイムラインが時系列に流れていくだけなので、こうはいきませんね。

で、Chatterは今はTwitter的なものだと思うのですが(間違ってたらすいません)、今後は企業内のソーシャルグラフを元に、自分に関連する商談や、顧客、社内の各業務が浮かび上がってくるようなインターフェースになっていくのではないかと思っています。そのために今、懸命にChatterに情報を一本化しようとしているのではないかと。

まだ企業サイズが小さい弊社でさえ、最近は業務アプリが増えてきて、いろんなサイトに行かないと業務が遂行できません。「あれ、これどうやるんだっけ。。これどこだっけ。。」なんていうのもしばしばです。僕ももし、業務が一つのアプリだけで完結できるってなったら素晴らしいと思います。

きっと「Chatterだけ見てれば誰でも業務が遂行できる」というレベルまで昇華させようとマークは考えているのではないかと基調講演を見て感じました。

2. 業務アプリメッセージからの脱却
Salesforce社も実際にメインビジネスとしているのはSFAやCRMを販売するということは間違いないと思います。ただ、CRMやSFAは業務として成熟化してきており、基本的な機能であればおそらくOracleやその他の競合と大差がないのだと思います。

ただ、現在ほぼ無償であるChatterをメッセージのキーに添えることで、次のソーシャルというビジョンを顧客に見せることができるのが大きいのだと思います。顧客は今は積極的に社内ソーシャルに取り組んでいなくても、無償であればとりあえずやってみようかと思いますし、他と機能差がなければ未来が見える方にかけてみようかという気になるものです。



Heroku for Java:


盛り上がってたHeroku展示ブース


今、PaaSプラットフォームはいろんなものが出てきていてまさに黎明期の様相ですが、数少ないJavaのPaaSプラットフォームとしてHerokuは大きく期待したいところです。早くインフラのパフォーマンスを気にしなくてよくなる世の中になって欲しいと個人的にも思います。。

Force.com/Apexは企業向けPaaSとしては非常に良いコンセプトだとは思うのですが、プログラミングするエンジニアの立場に立ってみると「俺の大事な時間をベンダーロックインの技術に投資するのか・・」となり、なかなか時間を投資するのには勇気がいります。そこがApex普及の障壁になっていまっているのではないかと。。

エンジニアだったらやはり、オープンな言語のスキルをつけたいですし、日本に比べてテクニカルなスキルでの勝負感の強い欧米では特にその傾向が強いのではないかと思います。

今回のHerokuのJava対応により、上記のロックインを解決しつつ、900万人いると言われるJavaのデベロッパーにリーチできたのは非常に大きいと思います。個人的にはSalesforceはApexへの投資を控えて、こういうオープンなプラットフォームへの進化を強めていくのではないかと思っています。

ただ、Herokuは値段はちょっと高いような気もするので今後の値下げに是非とも期待したいです。


会場や雰囲気について:



右側の女性はバーバリーの社長


なんと郵政の日本語の看板


会場近辺はイベント一色


よく見ると競合のO社のバルーンが!



イベント会場となるモスコーンセンターは、大きな会場でしかも建物が分かれているため迷いがちです。なので、会場の中だけではなく外のいたるところにもstaffの方がいて、気さくに「迷ってないかい?」と話しかけてきてくれます。

会場に入って思ったのは、朝から音楽がかかっていてとにかく雰囲気が明るい。日本のビジネスイベントは音楽がかかっているものが少なく、どこか堅い気がするのですが、それとは違う明るさがあるなぁと思いました。イベントに音楽は大事ですね。ズンドコいうのはイイです。

昼間もフリーフードで、夜も会場や周辺の至る所でお酒が振舞われたりパーティーが行われたりしています。1企業のイベントにも関わらず、有料で皆それなりのお金を払っているのですが、それ以上にお金を使って、来場者に還元しようという姿勢が素晴らしいと思います。

いろいろとイベントが派手だから記憶に残るんですよね。「あー、あのメタリカのやつね」って来年でもきっと皆覚えているイベントになると思います。こういう風にイベントが記憶に残るようにするっていうのは大事だなぁと強く感じました。



展示ブース:


展示コーナーもすごい人



各ブースも熱心に聞く人であふれてました


個人的には結構時間を割いてパートナー企業の展示ブースをまわりました。どこのブースでも「さわらせてくれ」って言ったらちょっぴり嫌な顔されたので(笑)基本的にいろいろとデモンストレーションをしてもらいました。

やはりどこのブースでも担当説明員が自信満々で説明してくるのはさすがにアメリカンな感じでしたね。実体としていわゆる統合ソリューションだったとしても、デモとしてはみな特徴のある部分を切り取ってうまく自社の強みを表現している感じでした。

実際にSalesforce社と共にビジネスしている企業といろいろと見たり話したりできて、かなり有意義な時間を過ごすことができました。


さいごに:

今回初めてDreamforceに参加させてもらって、日米の違いを感じた部分もありましたが、どちらかというと変わらない部分やお互いの強みと弱みをたくさん認識できたのが大きな収穫でした。

やはりイベントに参加することの意義は現地で生の情報や、実際にやっている人と話すことでそこから次のステップのアイデアやインスピレーションが湧いてくることだと思います。

実際行く前と比べて、アメリカでのビジネス、開発について感覚が変わったところもだいぶでてきたので、個人的にはとても収穫がありました(中身を聞きたい人は是非虎ノ門におこしください)。

※現地ではSalesforce社の方々(特に日本の方々)に大変お世話になりました。日本を大事にしてもらっていることも強く感じました。この場を借りて御礼申し上げます。


Dreamforce'11関連記事へのリンク:



@jojihori
次の記事
« Prev Post
前の記事
Next Post »
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...