先週2/25~3/2まで、USのクラウドサービスHerokuのカンファレンス、「WAZA 2013」 に参加するためにサンフランシスコに出張してきました!
カンファレンス自体は2/28の一日だけだったのですが、今回はHerokuのオーナーであるSalesforce.comさんのお計らいにより、弊社含め何社かのエンジニアを連れて、Salesforce本社を始め、Twitter、Pivotal LabなどのホットなサンフランシスコのIT企業のオフィスを訪問するというツアーを組んでいただきました。
また、日本人でありながらサンフランシスコで起業され、現在急成長中のビッグデータのSaasベンダーTreasureDataさんとの会食や、日本から参加されたエンジニアの方との交流(Rubyの生みの親@yukihiro_matzさんともご一緒でした!)など、とても実のある出張となりました。
今回のツアーのコンダクター的な役目をはたしていただいたHerokuエバンジェリストの@ayuminさんや多忙であるにもかかわらず自分を送り出してくれたR&D部のみんなにも感謝です!
せっかくの内容てんこもりなので、一度のブログポストで終わらせるのはもったいないと思い、日記その①とさせてもらいました。
まずは今回の出張のメインの目的である、HerokuカンファレンスWAZA 2013のレポートです。
0.会場
受付で琴奏者による生演奏、天井にはちょうちん、セッションブースはBONSAIなどの名前がつき、ちゃぶだいやざぶとん(?)なんかもあったりして、全体的に和テイストな感じが普段のカンファレンスとは違う装いです。
1. オープニング
オープニングでは和太鼓演奏に続き、女性の書道家が大きく「技」と垂れ幕に書いてカンファレンス開始!とことん和な演出は日本人としては嬉しいようなおかしいような^^;
ちなみに、Herokuはアドオンのグレードの名前がRonin、Fugu、Ikaとかだったり、僕は行けませんでしたが、オフィスの扉に屏風画が描かれていたりと、日本の言葉やテイストが全体的に盛り込まれています。
2.セッション
オープニングトークの後は、各ブースにわかれセッション開始!以下がアジェンダです。
https://waza.heroku.com/2013/waza-agenda.pdf
ぼくはオープニングから通しの「Stables & Volatiles」を聴いた後は、
タイトルでおもしろそうな
「Heorku Secrets」、
「Time Travel from 2100」、
「Coding for your Baby Ecosystem」、そして
@yukihiro_matzさんの「Ruby 2.0」
を聴きました。
以下、がんばってネイティブ英語の早さと日本人に分からないアメリカンジョークと連日の睡眠不足を乗り越えて聴き分けたダイジェスト。
1)Stables & Volatiles
Stables=安定してる人、堅実な人
Volatiles=気まぐれな人、天才肌ぽい人
の対比の話。エンジニアや会社のタイプを両者にあてはめて、その長所、短所やビジネス上どう むきあっていくかといった話を具体的な人物、会社名をあげて説明。
テクニカルな話ではないですが、要は両者どちらがいいというのではなく、両方の人材、またはアプローチがビジネスを成長させるには必要だよ!ということでした。
印象的なフレーズは「Volatiles being Stables」。
はじめはVolatilesな人や会社も、成長と共にStablesになっていく、だから無理にStablesにする必要もないし、StableになりすぎてしまうとVolatilesの要素を取り戻すことも必要だと、そういった感じのことを言っていました。
ちなみにVolatilesで筆頭にあげらていたのは、みなさんの予想どおりこの人ですね。。
2) Heorku Secrets
Heroku内部のビルドプロセスやロギングなどについての技術セッション。日本のMeetUpにも来てくれたNoahさんです。タイトルに惹かれてか、狭いブースにあふれるばかりの人。自分は通路の地べたにすわって聴講。
最後まで聴けなかったのですが、heroku自身もHerokuのBuildPackのような仕組みでビルド、デプロイしていたり、自身が使うものとして製品を捉えているのが印象的でした。
3) Time Travel from 2100
スライド一切なしで、シルクハットをかぶった愉快なおじさんがジョークをまじえて喋りっぱなし。今回のセッションで一番理解がきつかったです^^;
タイトルにつられて、最先端技術ぽいとこを話すのかなと思いましたが、100年後の未来から今のテクノロジーや開発手法などみた場合どう映るかといった話でした。たぶん。
前日仲良くなったHerokuのメンバーがおすすめしてくれたので、自分の英語力が足らず細部まで理解できなかったのが悔やまれます。やはりスライドなしはきびしかとです。
4) Coding for your Baby Ecosystem
PythonフレームワークDjangoを使ったエコシステム構築の話。
PythonとDjangoには前から興味があったので、手元のMacにDjango落としてきていじりながら聴いてました。
これを聴いて、すこしDjangoやってみたくなりました。Scalaとハイブリットとかだと色々使い道増えるかなー?
5) Ruby 2.0
そして最後はわれらが@yukihiro_matzさんのRuby 2.0に関するプレゼン。
ちょっとまばらになりかけていたブースも、さすが世界的なシェアを持ち、herokuユーザーにも多数使われている言語の開発者ということで、ほぼ満員となりました。
内容は、最近リリースされたRuby 2.0の変更点や今までのリリースの歴史などでした。
Rubyはちょっと触った程度ですが、こちらも講演を聴いていて、もう一回ちゃんとやってみようかなーって思いました。(さっきPythonでその後すぐにRubyって影響されやすい自分。。。)
Ruby界隈では鉄板ネタらしいですが、ADD=Anniversary Driven Developmentには会場もそしてぼくもウケましたw
3.クロージング+2次会
カンファレンスの終盤からはもうみんなビールを飲みながらの聴講で、この辺のパーティな感じは日本のカンファレンスとは違いますね。
終了後は、GitHub主催の2次会へ参加!
バンド演奏にスプレー缶を無線マウスにしたお遊びペイントなど、これまたおしゃれで楽しいパーティでした。後半は彼女同伴の人がどんどん増えてきて、これって本当にカンファレンスの2次会か?っていう雰囲気でした。
4.まとめ
有料カンファレンス($300)であるにも関わらず、チケットはsold out、プレゼンブースや来客もUS以外の海外からの人も多くて、Herokuに対する関心やユーザー層の深さを感じたカンファレンスでした。
また、Herokuのデザイン戦略というか、堅苦しくなりがちなクラウドプラットフォームサービスを日本文化というキーワードを通してうまくブランディング化しているなという気もしました。(どこまで戦略的でどこまで趣味なのかな?w)
セッションの内容自体はHerokuに直接関わる技術的なものよりも、ビジネスやノウハウ的なものが多かったように思います。
どちらかとういうとHerokuという共通項を介して、世界中の会社やエンジニアが交流しに来たという感じでしょうか?
サービスを一方向的に展開するのでなく、buildpackやアドオンなどを通じて外部コミュニティやオープンソースを活用しながら展開しようとしている姿勢が垣間みれたカンファレンスだったとも思います。
ぼくも仕事でHerokuを使っている身として、技術貢献したり日本でのHerokuを介した交流を深めていきたいと思います!
まずは開発向けのPlay2のBuildPackでもforkしてつくるか!
5.おまけ
出展コーナーでデモしてもらった、Neo4jさんのiPadでテーブルの砂場に絵が書けるツール。
JavaScriptSDKとして提供してて、iPad内のブラウザで指で書いた絵(座標データ)を机の裏についているマグネットに送信して遠隔描画できるツール。おもしろい!(Herokuとどんな関係があるかはさておき)
「IKEAで売ったら?」って言ったら「そんな安くうれないよ!」って言われました。そりゃそうだ。
6.最後に
なお、今回の出張と重なって日本ではScalaカンファレンスInJapan2013 が開かれていました。
実は当初このカンファレンスに登壇する予定だったのですが、今回の出張が決まってしまい、急遽スピーカーは代理を立てるという荒技をしてしまいました。
勝手な申し出にも関わらず柔軟に対応してくださったカンファレンス事務局の皆様にこの場でお礼を言わせていただきます。ありがとうございました。
Scalaカンファレンスの模様は一つ前のこちらの投稿に詳しくあるんで、ぜひ合せてご一読を!