2018-12-16

12月25日って誰の誕生日だっけ? という貴方におすすめする重力の祭

ShanonAdventCalendar2018 ・16日目の記事をお届けします。

16日目ということで12月25日もずいぶん近づいてきましたね。
ところで多くの人は12月25日はクリスマスを祝うことにしていると思いますが、その同じ日に別のことを祝っている人がいることはご存知でしょうか。
彼の名前はRichard Matthew Stallman。頭文字をとってRMSと呼ばれる彼は、12月25日には「grav-mass」のお祝いをすることを提唱しています。

クリスマスだとイエス・キリストの生誕を祝うことになりますが、grav-mass は12月25日がニュートンの誕生日であることに因んでいて、物理法則の存在を祝う行事です。
お祝いの仕方の詳細はこちらをご覧ください。
( https://stallman.org/grav-mass.html )
 

grav-massを祝う方法は、リンゴなどの果物でツリーを飾りつけることです。ただその際に、あまりしっかりと木に果物をとめないようにしておいて、時々それらの果物が落ちてしまうようにしましょう。危険がないように、飾り付けの位置は2フィート以下にします。こうした飾り付けをすることで子どもたちが物理的な世界を科学的に学ぶプロセスに触れることができるでしょう。

別の方法として、ボールや果物などを自分の周りに放り投げることでもgrav-massを祝うことができます。

何人かでのお祝いの時は、 科学的な知識と理解についてお互いに話したり、どのような試みによって世界の未解決の問題に答えられるか話し合うことが、grav-massのお祝いになります。

簡単に祝うだけであれば、とりあえず何らかのものを落下させるだけでできるので、興味のある方は身近なものでお祝いされてはいかがでしょうか。


さて、RMSはコピーレフトの推進者で、フリーソフトウェアライセンスのGPLを作った人物としても有名です。

ここでは詳解しませんが、GPLは配布されるソフトウェアが、利用・改変・再頒布ができることを保証するライセンス形態で、またいわゆるコピーレフトのライセンスでもあるため、例えばGPLで配布されているライブラリを組み込んで新しいソフトウェアを作成したら、その新しいソフトウェア自体もGPLを継承して配布しなくてはいけません。
つまり、商用のソフトウェアにGPLのライブラリを含んでしまうと、作成したソフトウェアのバイナリだけをコピーして販売するというビジネス(=要は普通のパッケージソフトウェアの販売)はやりづらくなってしまいます。
自分も以前パッケージソフトの開発に携わっていた時に、GPLというととにかく仕事で使えないので、要注意の配布形態として認識しているところがありました。

とはいえ、パッケージソフトの販売業者という限られた視点で見てしまうとGPLの悪い面ばかりしか見えません。
一方でコピーレフトであるGPLが適用されているソフトウェアは、それがどれだけ改変されて利用者が増えていったとしても、ずっと万人にとって公開された(コードが読める状態にされた)ままで居続けることができます。ソースコードが公開されているということは、誰もがそこから学べて、利用できて、その正しさの検証ができるということでもあります。

RMSのWebサイトのホームページ ( https://www.stallman.org/ ) には、彼が使わないようにしているWebサービスのリストがあるのですが、ほとんどの人が日常的に使用しているようなWebサービスがそこには列挙されていますから、はっきりいってRMSは一般的な「ITを使いこなしている人」の像からはズレているでしょう。
間違っているのが彼のほうか私たちのほうかの簡単に結論を出すことはできませんが、知識が万人に公開されていて、検証可能であることをとても大切にするRMSの姿勢には共感できるところがあると思います。

RMSがgrav-massで祝っていることは重力そのものではなくて、その物理法則が万人に適用されていて公開されていて検証可能であること自体です。
前述した彼が提案するgrav-massの祝い方を見ると、それがよく伝わって来るように思います。

最後にRMSが grav-mass を祝っている動画がありますので、リンクを載せておきます。
https://stallman.org/video/rms_merry_grav-mass.ogv

皆様がうまく重力法則の検証ができるようにお祈りしています。
Merry Grav-Mass.

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