株式会社シャノンでインフラ業務に従事しているfujya.shです。
主にサーバ・ネットワークからミドルウェア・セキュリティ等の面倒を見ています。
今日はインターネットの根幹を揺るがす話について投稿したいと思います。
ある日突然インターネットに繋げられなくなる?
2011年2月1日。衝撃的なニュースが舞い込んできました。
IPとは現実世界での住所のようなもので、それが全て使われてしまったというニュースです。例えば、これから新しくインターネットでビジネスをしたい、という人がいてもインターネット上の住所を取得できず、ビジネスが開始できなくなります。
IPが取得できず、インターネットに繋げられない人々の事を指す言葉として、「IP難民」などの言葉が出てきそうな気がします。
これから何が起こるのか?
前述しましたがIPの新規取得ができなくなりますので、新規ビジネスや既存ビジネスの拡充などが難しくなります。実際にそういった状況が訪れるのは、半年から1年ぐらいにかけてだと言われています。今回はIANAのIPが枯渇しましたが、まだRIRにはIPの在庫があるからです。
IANA?RIR?などハテナが出る方もいらっしゃるかと思いますので簡単に説明すると、
IANA
いわばIPの源泉的な存在。
RIR
5つの地域に分かれて管理している組織で、日本はアジア太平洋地域のAPNICに所属しています。
IPは階層構造で管理しており、今回はIANA、IPアドレスの源泉が枯渇した形になります。
対応策はあるのか?
大きく二つ対応策があると言われています。
- IPv4から上位バージョンのIPv6へ移行する
IPにはバージョンがあり、今回枯渇したといわれているのはバージョン4(IPv4)です。v4とv6の主な違いですが、割り当て可能な数が桁違いとなっています。・IPv4の割り当て可能数=約42億・IPv6の割り当て可能数=約340澗個(340兆の1兆倍の1兆倍)約340澗個といってもピンとこない数ですが、地球を1cm2で区切り、それぞれにIPv6を割り当てても余るぐらいの数だそうです。これなら枯渇する心配は、ほとんどありません。しかし、IPv4とIPv6の互換性が無いため、導入がスムーズに進んでいないのが現状です。
- IPv4を効率よく利用する
既存のIPv4をみんなで効率よく使い、RIRの枯渇を延命させる取り組みが進んでいます。代表的な例としてラージスケールNAT ※4 があります。こちらもたくさん技術的な課題や問題があり標準化を進めている段階で、導入が進んでいないのが現状です。
シャノンではどう対応するのか?
シャノンではIPv6に関しての情報収集・導入研究を進めています。実際に世の中がIPv6の方向に進んだ時に遅れを取らないためにです。2011年2月1日にIPv4が枯渇しました。これは現実です。これからインターネットがどう変化していくかは誰にも予測が不可能ですが、変化に対応するために必要な技術と知識は常にキャッチアップしていきたいと思います。
今後、またIPv6関連のネタが集まったらブログに投稿していきたいと思います。
※1 IPv4アドレス枯渇タスクフォース : IANAからAPNICに申請で分配可能な最後のアドレスが割り振られました
※2 ウィキペディア : Internet Assigned Numbers Authority
※3 ウィキペディア : 地域インターネットレジストリ
※4 ウィキペディア : ラージスケールNAT